ご飯を美味しく保つには、冷凍保存が一番おすすめです。
ご飯を冷凍すると、炊きたての味をなるべくキープしつつ、1ヶ月程度日持ちさせることができます。
一方で、冷蔵庫での保存は、あまりおすすめしません。
食感や風味がどんどん落ちてしまうからです。
1日くらいであれば差は分かりにくいですけど、それでも冷凍とくらべて味が劣化しやすいので、冷蔵はできるだけ避けた方がいいです。
また、常温保存に関しては、傷みやすいため、基本的にはNGです。
なお、ご飯を冷凍する際には、ラップで平たく包んだうえで、保存袋に入れます。
ご飯の上手な保存方法を解説します。
味が劣化する理由
ご飯の味が劣化する理由は、ご飯に含まれるでんぷんが「老化」するためです。
炊く前のお米に含まれるでんぷんは、かたい結晶の状態になっています。
お米に水を加えて加熱することで、でんぷんが粘度のある柔らかい状態に変化。
この変化のことを「糊化(アルファ化)」といいます。
炊きたてのご飯はもっちりとした柔らかい食感が特徴的ですが、その背景には、このような仕組みがあるわけです。
糊化したでんぷんは、冷えて温度が0度に近づくと、元のかたい状態に戻っていきます。
炊く前ほど硬くなるわけではありませんが、せっかくの食感は失われます。
このことを、「でんぷんの老化」といいます。
温度が0度を下回ると、でんぷんの老化は止まります。
そのため、ご飯を保存する際には、0度を下回った状態をキープする(=冷凍する)ことが重要になるわけです。
ご飯は冷凍が一番
続いて、ご飯を冷凍保存する方法をご紹介します。
まず、炊きたてのアツアツのご飯を、一膳(150g程度)くらいずつラップの上にのせて、薄く均一に広げます。
アツアツのご飯ではなく、冷めたご飯を保存したい場合も同様です。
冷めたご飯は水分が蒸発している分、ご飯のしっとり感がやや失われますし、風味も乏しくなりますが、同じようにラップの上に広げてください。
ご飯は均一に薄めに広げる
ご飯を冷凍する際には、なるべく、炊きたての熱い状態をラップで包みます。
そうすると、解凍した時に、しっとりとした食感がキープできます。
また、なるべく均一に、そしてやや薄めに広げて包むのもポイントです。
冷凍と解凍がすみやかに進むので、ご飯の劣化を抑えることができます。
しかも、解凍時の加熱ムラも防げます。
続いて、ラップでぴったりと包んで、人肌くらいになるまで常温に置いて、粗熱を取ります。
ラップでぴったりと包む
ラップをご飯にしっかりと密着させて、空気が入らないようにすることも、とても大切です。
ご飯とラップの間に隙間が空いていると、空気が入って霜がつきやすくなり、ご飯の味が落ちてしまいます。
次に、ラップで包んだご飯をジップロックなどの保存袋に入れます。
保存袋に入れることで、庫内の空気を遮断して、臭いが移るのを防ぎます。
ご飯を重ねるのはNG
この時、ご飯を上下に重ねた状態で保存袋に入れない方がいいです。
横に並べるのはOKです。
続いて、ご飯が入った保存袋を金属製のトレーなどにのせて、冷凍庫に入れます。
金属製のものにのせて冷凍庫へ
熱伝導率が高い金属製トレーなどの上にご飯をのせると、急速冷凍することができるので、ご飯の水分が失われにくくなり、美味しさを保てます。
最近の冷凍庫には、金属トレーが付属していることも多いです。
ちなみに、アルミホイルでご飯を包んで急速冷凍する方法もありますが、こちらはわざわざやる必要はないと思います。
ご飯の冷凍期間
なお、このように冷凍したご飯の賞味期限は、1ヶ月ほどと考えてください。
ご飯の解凍
ご飯を解凍する方法はとても簡単です。
保存袋から取り出して、ラップで包んだままの状態で電子レンジに入れ、一膳(150g程度)につき600wで3分ほど加熱すればOKです。
また、より水分を飛ばしたい場合は、ご飯を茶碗に盛り付けてから、さらに軽く20秒ほど加熱するという手もあります。
ただ、3分加熱するだけでも十分美味しく仕上がるので、追加で加熱するかどうかはお好みです。
ちなみに、解凍したご飯を再冷凍するのはNGです。
ご飯の水分が失われて美味しくなくなるので、一度に食べる分だけ解凍してください。
より詳しく:ご飯の解凍方法
タッパーや専用容器について
ところで、最近は、ご飯を冷凍するための専用容器が100均やネットなどで売られています。
こうした専用容器は、ごく普通のタッパーと違って、上の写真のように、底の部分に「すのこ」が付いていたりするものが多いです。
容器に詰めて冷凍したご飯は、解凍した時に底の方が水っぽくなりやすいため、それを防ぐためにこのような形状をしているのだと思われます。
ただ、このような専用容器で冷凍したご飯と、ラップでぴったり包んで保存袋に入れて冷凍したご飯を食べくらべると、正直言って、ラップの方が美味しいと私は思います。
専用容器の長所と短所
専用容器のメリットとしては、ラップを一切使わないので無駄なゴミが出ないことや、温めた後に容器のまま食べられるので便利であることなどが挙げられます。
ですがその一方で、すのこの下に余分な空間があるうえに、上蓋とご飯の間にも隙間ができるので、空気に触れやすいという特徴があります。
そのため、ラップよりもずっと臭いがつきやすいです。
1〜2日程度だと違いは分かりにくいですけど、長く冷凍すると、差がはっきりと分かります。
タッパーの長所と短所
では、普通のタッパーはどうかというと、こちらも、ご飯の冷凍には不向きです。
すのこなどの底上げ機能はないですけど、上蓋との間には隙間ができるため、臭いが移りやすくなります。
しかも、解凍時に底の方が水っぽくなりやすく、食感がベチャッとなりがちです。
ラップも冷凍庫に入れることで臭いは付きますけど、ラップをしたうえで保存袋に入れて二重にガードすれば、特別臭いものを冷凍庫に入れていない限り、1ヶ月くらいだったら大丈夫です。
しかも、薄めに広げてから冷凍しておけば短時間で解凍できるため、解凍時に余分な水分が発生せず、食感良く仕上がります。
こうしたことから、ご飯の冷凍には、ラップ&保存袋という組み合わせが一番おすすめです。
ご飯の冷蔵・常温保存
最後に、ご飯の常温保存と冷蔵保存についてお伝えします。
常温での保存は避ける
ご飯を常温で保存すると傷みやすいので、基本的にはおすすめしません。
でも、たとえば、酢飯を作った際には、半日くらいであれば有効です。
というのは、酢飯は、冷蔵すると硬くなりますし、冷凍すると風味が損なわれるためです。
酢飯を常温保存する場合は、ご飯を飯台(もしくはそれに代わる器)の端に寄せて、乾いた布巾をかぶせたうえで、ラップをかぶせて乾燥を防ぎます。
こうした例外もありますが、ご飯は、すぐに食べる予定がない場合は、常温保存はさけた方がいいです。
冷蔵保存は1日程度ならアリ
ご飯の冷蔵保存であれば、1日くらいだったらアリです。
1日くらなら、でんぷんの老化はそれほど進まないので、冷蔵でも味に大きな影響は出ません。
その際には、冷凍と同様に、できるだけ炊きたてのアツアツのご飯をラップの上にのせて、平たく均一にしてラップでぴったり包み、保存袋に入れます。
そして、粗熱を取ったうえで冷蔵庫に入れてください。
冷蔵の場合も、薄くしてラップで包んだ方が、レンジで効率よくムラなく温められるので、ご飯が美味しく食べられます。
以上、ご飯の保存についてお伝えしました。
ご飯を保存する際には、冷凍するのが一番おすすめです。
ラップで平たく包んだうえで、保存袋に入れ、粗熱を取ってから冷凍庫へ。
もちろん炊きたての美味しさには敵いませんが、味の変化が最小限に抑えられますよ。
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