早くて旨いのはコレ!昆布だしの取り方。煮出しと水出しを上手に使い分け

昆布だし(昆布出汁)の取り方
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旨くて早いのはコレ!昆布だしの取り方

昆布だしの取り方を解説します。

昆布出汁の引き方は、大きく2パターンに分かれます。
「煮出し」と「水出し」です。

「煮出し」は旨くて早い

出汁の美味しさを重視するのなら、昆布を煮出す方法がおすすめです。
沸騰させないようにじわじわと温度を上げながら旨味を引き出すため、昆布の味がしっかりと感じられる、濃い昆布だしが作れます。

また、水出しするよりも調理時間が短くて済むので、急ぎの時にも便利です。

「水出し」は簡単

一方で、昆布だしを手間をかけずに取りたいのなら、水出しが便利です。

昆布を水に浸けて、一晩置けばできあがり。
煮出すよりも時間がかかりますが、作業自体はとても簡単です。

お味の方は、煮出した出汁よりも薄めです。
水出しした出汁は「昆布水」とも言われ、透明感があり、あっさりとした味わいが特徴です。


昆布出汁の作り方

「煮出し」と「水出し」、いずれの方法で昆布だしを取るにしても、材料は同じです。
昆布と水を、それぞれ次の量ずつ用意します。

昆布の量はあまり控えめにせずに、このくらいの量を使った方が、美味しい出汁が取れます。

材料

昆布 6g(7センチ角1枚程度)
400ml

ちなみに、「煮物用」として売られている昆布は、良い出汁が出ないことが多いので、必ず「だし用」にも使えることが記載された商品を選んでください。

基本の「煮出し」

最初にご紹介するのは、とにかく美味しい昆布だしを取る方法。
鍋を使った基本の昆布だしの取り方です。

時間も比較的かからないので、急ぎで出汁が欲しい時にもおすすめです。

作り方【調理時間10分+30分置く】

  1. 昆布に付いたほこりを乾いた布巾で拭き取り、鍋に昆布と水を入れ、30分ほど置く。
  2. 鍋をごく弱火にかけ、じわじわと温度を上げる。
  3. 沸騰寸前(70度くらい)になったら火を止め、昆布を引き上げる。

昆布の汚れを拭き取る

まず、昆布(6g:7センチ角1枚程度)の表面に砂や汚れなどが付着していたら、乾いた布巾などで軽く拭き取ります。

昆布は洗わずに使う

昆布は、決して水洗いしてはいけません。
というのは、昆布に含まれる旨味成分の「グルタミン酸」は、水にとても溶けやすいからです。
昆布を洗ってしまうと、せっかくの旨みが流れてしまいます。

なお、昆布の表面には、下の写真のように白い粉のような物質が付着していることがあります。

昆布の表面の白い粉
でも、これはカビではありません。
「マンニット」と言って、昆布の美味しさの元になる成分が乾燥して現れたものなので、そのまま使えます。


昆布と水を鍋に入れて置く

次に、昆布と水(400ml)を鍋に入れ、30分ほど置きます。

あらかじめ昆布を柔らかく戻しておくことで、旨味を十分に引き出しやすくします。

切り込みは入れなくてもOK

ちなみに、昆布に切り込みを入れたり、あるいは細かく刻んだりして使うと、より出汁が出やすくなるように思えるかもしれません。

ですが、昆布一枚をペラっと入れた場合とくらべると、意外にも出汁の出方はほとんど同じです。


昆布を入れた鍋を弱火で加熱する

30分経ったら、鍋をごく弱火にかけます。

そして、じわじわと時間をかけて温度を徐々に上げて行き、上の写真のように、鍋の表面に細かい気泡が出てきたら(70度くらい)、沸騰する前に火を止めます。

時間をかけて温度を上げる

昆布は、火にかけてじっくり時間をかけて煮出すことで、しっかりとした旨味が出てきます。

ただ一方で、昆布は、沸騰直前(70度くらい)になると、ぬめりが出てきて、エグミや苦味も出やすくなります。
ですから、ごく弱火にかけて70°度に至るまでの時間をなるべく長くすると、美味しい出汁が取れます。

とにかく沸騰させない

このように、昆布だしを味良く仕上げたいのなら、沸騰させないことがとても大切です。

沸騰させた昆布出汁
沸騰させてしまうだけで、ぬるぬるした粘りが出るうえに、味も香りも落ちてしまうので、この点だけは注意して下さい。

昆布出汁から昆布を引き上げる

昆布を引き上げたら、昆布だしの完成です。

昆布出汁の美味しさにこだわるのなら、この方法が断然おすすめ。
忙しい時の時短にもなるので、便利ですよ。



手間いらずの「水出し」

次にご紹介するのは、とにかく手間いらずでラクに昆布だしを取る方法です。

作り方【調理時間1分+ひと晩置く】

  1. 昆布に付いたほこりを乾いた布巾で拭き取り、昆布と水を保存容器に入れる。
  2. フタをして、冷蔵庫に一晩置いたらできあがり。
昆布の汚れを拭き取る
まず、先に紹介した方法と同じように、昆布(6g:7センチ角1枚程度)の表面に砂などが付着していたら、乾いた布巾などで軽く拭き取ります。

昆布水の作り方

あとは、保存容器に昆布と水(400ml)を入れ、昆布を完全に水に浸した状態でフタをして、冷蔵庫に一晩入れるだけで完成です。

昆布水はややあっさり

この方法で取った昆布だしは、「昆布水」とも呼ばれています。
特徴は、煮出した昆布だしよりも色が淡く、水のように濁りがなくて透明感があり、また、味がややあっさりとしています。

手軽に作れるので、昆布の健康効果を目当てに、この昆布水を日常的に飲む方もいらっしゃいます。
ただ、「出汁」として見た場合、昆布自体の味や香りがはっきりと感じられて美味しいのは、先に紹介した煮出す方法で取った昆布だしです。

一晩以上漬けても濃くはならない

なお、一晩水に漬けた昆布は、引き上げて、ラップで包むなどして別にして、冷蔵保存してください。
昆布を2〜3日水に浸したままにしても傷むことはありませんが、一晩以上長く水に浸しても、だしが濃くなることはありません。

昆布だしの日持ち

昆布だしの日持ちは、冷蔵保存で3〜4日程度です。
これは「煮出し」でも「水出し」でも変わりません。

引き上げた昆布の日持ちも、同じくらいです。

昆布出汁を小分けにして使う
より長期間保存したい場合は、冷凍するという手もあります。
昆布だしを冷凍すると、1ヶ月ほど日持ちします。


昆布だしの使い道

最後に、昆布だしの使い道について少し触れておきます。

昆布だしは、かつおだしとは違い、控えめで繊細な旨味が特徴。
昆布だしが合うお料理の筆頭と言えば、やはり「湯豆腐」です。

昆布だしをきかせることで、豆腐自体の旨味もしっかりと感じられようになるので、寒い季節なら、湯豆腐をぜひ作ってみてください。

他の使い方としては、種類の異なる出汁と組み合わせるという手もあります。
鰹だしなどと合わせると旨味の相乗効果が働いて、美味しさがアップします。
味噌汁などに、鰹だしや煮干しだしと一緒に加えるのもおすすめです。

また、引き上げた昆布は、「昆布の佃煮」にすると美味しく食べられます。
だし用昆布は、煮物用昆布と比べると食感が硬い場合が多いので、そのまま煮るだけでは十分に柔らかくはなりませんが、酢を少し加えることで食べやすい佃煮に仕上がります。
リンク先も、合わせて参考にしてください。



以上、昆布だしの取り方についてお伝えしました。

濃くて美味しい昆布だしが取りたいなら、煮出す方法がおすすめです。
一方で、水出しの魅力は手軽さです。

ケースバイケースで使い分けるといいですよ。

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