里芋に含まれる栄養成分とその効果効能についてお伝えします。
里芋の栄養面での特徴としては、次の4つが挙げられます。
- でんぷん(炭水化物)を多く含むが、芋類の中では最もカロリーが低い。
- カリウムが芋類のなかで最も多い。
⇒高血圧の改善。 - ぬめり成分が有用。
⇒免疫力の向上や粘膜の保護。 - 食物繊維が豊富に含まれる。
⇒腸内環境の改善。
それぞれについて、詳しく解説します。
さといもの栄養成分
低カロリー
里芋の主成分はでんぷんですが、水分が多く含まれるため、ほかの芋類とくらべるとカロリーが低いです。
里芋100gあたりのカロリーは58kcalで、さつまいもの半分以下。
ダイエット中の方にとって魅力的な食材と言えます。
エネルギー (kcal) |
水分 (g) |
|
---|---|---|
里芋 | 58 | 84.1 |
長芋 | 65 | 82.6 |
じゃがいも | 76 | 79.8 |
さつまいも | 134 | 65.6 |
カリウム
里芋にはカリウムが多く含まれており、芋類の中で最多です。
カリウムには、体内の塩分を排出する働きがあり、高血圧の改善効果が期待できます。
カリウム (mg) |
|
---|---|
里芋 | 640 |
長芋 | 430 |
じゃがいも | 410 |
さつまいも | 480 |
ぬめり成分
里芋には、ガラクタンなどのぬめり成分が含まれています。
このぬめり成分には、消化管の粘膜を保護したり、免疫力を高める効果があると言われています。
里芋のぬめりを敬遠する方もいらっしゃいますが、栄養面を考えると、ぬめりを取らずに食べるのがおすすめです。
食物繊維
上でお伝えしたガラクタンは、水溶性の食物繊維です。
里芋には、こうした水溶性の食物繊維だけでなく、水に溶けない、不溶性の食物繊維も含まれています。
じゃがいもの方が食物繊維の含有量は多いものの、里芋もけして少ないわけではありません。
食物繊維には、整腸作用やコレステロールを排出する効果があるので、里芋を食べることで便秘解消なども期待でき、美肌などの美容効果にもつながります。
食物繊維(mg) | |||
---|---|---|---|
水溶性 | 不溶性 | 総量 | |
里芋 | 0.8 | 1.5 | 2.3 |
長芋 | 0.2 | 0.8 | 1.0 |
じゃがいも | 4.9 | 4.0 | 8.9 |
さつまいも | 0.6 | 1.6 | 2.2 |
里芋の栄養を逃さない調理法
里芋の栄養を逃さずに調理するには、水を使わないことが大切です。
ぬめり成分とカリウムはどちらも水溶性なので、茹でたり煮たりすると湯に流れ出てしまいます。
里芋は蒸すのがおすすめ
栄養を最優先に考えるのであれば、蒸したり、レンジでチンしたりする方が安心です。
レンジは手軽ですが、その反面、里芋はものによってかたい部分もあるので、加熱時間が読みにくく、意外と難しいです。
蒸すのであれば、様子を見ながら加熱できるので、簡単に美味しく仕上げることができます。
蒸した里芋に田楽味噌を付けて食べると、すごく美味しいですよ。
里芋のその他の加熱法
そうは言っても蒸し料理ばかりじゃつまらないという場合は、里芋を煮物にして、汁を煮詰めて水分を飛ばしてしまうという手もあります。
水分を蒸発させることで、流出した栄養もムダなく摂ることができます。
ぬめりを取らずに調理する
加えて、栄養のことを考えるのであれば、里芋のぬめりを取らずに調理することも大切です。
里芋のレシピのなかには、味染みをよくするために、塩揉みや下茹でをしてから調理するものもあります。
もちろん、つくる料理によってはそうした工程が必要な場合もありますが、必須ではありません。
里芋のぬめりを取らずにそのまま煮ることで、調味料の絡みがよくなりますし、トロッとした食感が加わって、味がより濃厚に感じられます。
ぜひ参考にしてください。