
空豆が旬を迎える5月頃、私は毎年「自家製豆板醤」を仕込んでいます。
豆板醤といえば中国・四川の発酵調味料として知られ、本場では乾燥空豆を使いますが、日本の米麹と生の空豆でも、風味豊かで旨味のある本格的な味わいに仕上がります。
この記事では、空豆の茹で方から仕込み、熟成のコツまで、家庭でも無理なく取り組める作り方を丁寧に紹介します。
はじめて仕込む方にも、毎年作っている方にも役立つ内容です。
豆板醤を美味しく作るコツ
豆板醤を美味しく仕上げるために大切なのは、空豆をたっぷり使うことです。
このレシピでは、空豆に対して米麹 約7%、塩 約11% を目安に仕込みます。
一般的な手作り味噌は、豆に対して塩が13〜14%ほど入りますが、この豆板醤はそれよりやや控えめな塩加減です。
塩を抑えつつ、空豆の割合をしっかり確保することで、辛味の奥にある旨味と甘みを引き出します。
以前、空豆を少なめにして仕込んだところ、旨味が弱く物足りない仕上がりになりました。
空豆の量は、このレシピの味の決め手です。
空豆の風味を活かした、コクのある豆板醤を作りたい方におすすめの配合です。
材料
| 空豆(茹でて薄皮を取ったもの) | 210g(さや付きで約1kg、さやなしで約300g) |
| 米麹 | 15g |
| 塩 | 23g |
| 韓国産粗挽き唐辛子 | 11g |
- 空豆に対して、米麹は約7%、塩は約11%、唐辛子は約5%が目安です。空豆の量を変える場合も、この割合を基準に調整してください。
豆板醤の作り方
空豆を塩茹でする
- ① 空豆をさやから取り出し、柔らかくなるまで茹でます。
湯(1.5リットル)に塩(小さじ1)を加え、標準サイズなら3分、ごく小さい粒なら2分、大きくて硬めの粒なら4〜5分ほど塩茹でします。
空豆の薄皮を取り除く
- ② 茹で上がった空豆は、ザルに広げて水気を切り、薄皮を取り除きます。
水にさらすと水っぽくなり、ペーストにしたときに味がぼやけやすくなります。
熱と蒸気を飛ばすようにしながら、自然に水気を切りましょう。
ペースト状にする

- フードプロセッサー

- マッシャー
- ③ 薄皮をむいた空豆(210g)をフードプロセッサーに入れ、なめらかなペースト状になるまで撹拌して、十分に冷ましておきます。
フードプロセッサーがない場合は、マッシャーやすり鉢などを使って手で丁寧に潰しても大丈夫です。
その際は、潰し残しがないかを最後に確認しながら仕上げてください。
- 空豆は、完全に潰してなめらかにしないと、熟成中に「えぐ味」や「青臭さ」が残ることがあります。
ざらつきがないよう、丁寧にペースト状にしましょう。 - このあと加える麹は、生きた菌を含んでいます。
熱い空豆に加えると麹菌が死滅し、発酵が進みにくくなるため、空豆は必ずしっかり冷ましてから混ぜてください。
米麹などを加えてたねを作る
- ④ ペースト状にした空豆をボウルに移し、米麹(15g)・塩(23g)・韓国産粗挽き唐辛子(11g)を加え、よく混ぜてたねを作ります。
混ぜ終えたときの硬さは、味噌よりもやや硬め(市販の豆板醤よりもだいぶ硬め)くらいがちょうどよい目安です。
たねを保存瓶に移す
- ⑤ たねを保存容器に移します。
たねの上面を平らにして、ラップを表面にぴったりと付けて、空気がなるべく入らないようにしましょう。
そのうえで、乾燥しないようにフタをします。
私は、保存袋などで完全に密閉するのではなく、保存容器にたねをしっかり詰め、表面にぴったりとラップを密着させる方法を採用しています。
このようにして、適度に空気を遮断した「程よい嫌気状態」を保つことで、発酵が穏やかに進みます。
自家製豆板醤の完成!

- ⑥ 保存容器を冷暗所に置き、常温で5日ほど発酵させます。
最初に常温に置くことで発酵を立ち上げ、その後は冷蔵庫の野菜室に移してゆっくりと熟成させます。
冷蔵中は、月に1〜2回ほど蓋を開けて軽く空気を入れ替えます。
仕込んでから2ヶ月ほど経ったらラップを外し、一度たねの上下を返します(天地返し)。 - ⑦ 天地返しのあと、再び表面にラップをぴったりと密着させてフタをし、冷蔵庫の野菜室でさらに2〜3ヶ月熟成させます。
合計4〜5ヶ月ほどで食べ頃になります。
冷蔵保存すれば3年ほど長持ちし、仕込んでから1年ほどで旨味のピークを迎えます。
できあがった豆板醤は、炒め物や麻婆豆腐などに使うのはもちろん、そのまま温かいご飯に少量のせるだけでも旨味が引き立ち、美味しくいただけます。
時間の経過とともに空豆と麹の旨味がなじみ、辛味はまろやかに変化し、深みのあるコクと自然な甘みが引き出されます。
乾燥やにおい移りを防ぐため、しっかり蓋をした密閉容器での保存が基本です。
この豆板醤はじっくりと長期保存することで発酵が進み、旨味が深まる発酵調味料です。
保存期間中は、月に1〜2回ほど蓋を開けて軽く空気を入れ替えると、容器内の湿気やガスがこもらず、発酵がより安定します。
空豆が店頭に並ぶのは、全国的に5月頃がピークです。
その時期に豆板醤を仕込むと、2ヶ月ほど冷蔵庫に置き、7月の梅雨明け頃に天地返しを行い、さらに冷蔵庫で2〜3ヶ月熟成させて、秋くらいに完成します。
よくある質問(FAQ)
空豆を茹でるとき、塩はどれくらい入れればいいですか?
豆板醤用の空豆は、このレシピのように塩分控えめで茹でてOKです。
茹でる目的は「火を通すこと」と「軽く味を引き締めること」であり、食べるための塩茹でのようにしっかり塩味をつける必要はありません。
塩茹でしたあとに塩と唐辛子を加えて仕込むため、茹で湯に塩を入れすぎると、最終的な塩分が濃くなりすぎる場合があります。
豆板醤の仕込みに使う塩の量は、市販品と比べてどうですか?
このレシピでは、空豆に対して塩を約11%(210gに対して23g)使用しており、仕上がり全体で見ると塩分濃度は約9%になります。
市販の豆板醤の塩分濃度は12〜15%程度のものが多いため、それと比べるとやや控えめな塩加減です。
最初に常温で発酵を立ち上げ、その後冷蔵でじっくり熟成させることで、塩分が控えめでも旨味のある仕上がりになります。
たねの固さはどれくらいが適切ですか?
たねを混ぜ終えたときの硬さは、味噌よりもやや硬め(市販の豆板醤よりもだいぶ硬め)くらいがちょうどよい目安です。
発酵が進むにつれて水分が自然に出て柔らかくなっていくため、多少硬めでもそのまま仕込むのがおすすめです。
水を加えて無理にゆるめると、発酵のバランスが崩れて酸味が出やすくなることがあります。
保存容器に詰める際に、ヘラやスプーンでしっかり押し込める程度の硬さが理想です。
唐辛子はなぜ韓国産を使うのですか?
本場・中国では「二荆条(アルジンティアオ)」などの唐辛子を使うのが一般的ですが、日本では入手が難しいため、手に入りやすく発酵にも適した韓国産の粗挽き唐辛子を使用しています。
韓国産は色が鮮やかで辛味がまろやか、粒の大きさもちょうどよく、豆板醤づくりにもよく合います。

















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