じゃがいも料理のレシピでは、下ごしらえとして、じゃがいもをあらかじめ水にさらすことがよくあります。
勿論この工程にも意味があって、作る料理によってはかなり重要な作業と言えます。
じゃがいもを水にさらす理由は、次の5つです。
- 変色防止(色止め)
- アク抜き
- 焦げ防止
- くっつきにくくする
- 食感がカリッとする
この記事では、これらの理由を詳しく解説するとともに、じゃがいを水にさらす方法をご紹介します。
水にさらす時間はお好みですが、5分を目安にするといいですよ。
材料
じゃがいも | 好みの量 |
水にさらす方法と時間
- ① じゃがいもの皮をむき、料理に合ったサイズに切ります。
- ② 切ったそばからたっぷりの水にさらし、5分ほど置きます。
- ③ ザルに上げて水気を切って、料理に使います。
浸す時間は、お好みで変えても構いません。
軽く水にくぐらせるだけでもいいですし、少し長めにすると、冒頭で紹介した5つの効果がよりはっきりと感じられます。
水にさらす上での注意点
ただし、作る料理によっては、じゃがいもを水にさらさない方がよいものもあります。
また、どんな料理でも、さらし過ぎはNGです。
あまり長時間水に浸けると、じゃがいもに含まれる栄養が流れ出てしまいますし、でんぷんが抜け過ぎて、風味やホクホク感が失われてしまいます。
粉ふき芋やマッシュポテト
たとえば、「粉吹き芋」や「マッシュポテト」を作るのなら、じゃがいものホクホク感をいかすために、水に浸け過ぎない方がいいです。
じゃがいものガレット
じゃがいものガレットは、でんぷんの粘着性を利用したお料理。
水に少しさらす程度なら構いませんが、長時間さらすと、じゃがいもがバラバラになってしまい、きれいな形に仕上がりません。
じゃがいもの味噌汁
また、「じゃがいもの味噌汁」など汁物に使う場合は、水にさらさないことも多いです。
お好みで試してみてください。
水にさらす理由
次に、じゃがいもを水にさらす理由を詳しくお伝えします。
じゃがいもの変色を防ぐ
じゃがいもを水にさらす1つめのメリットは、色止めができることです。
じゃがいもは、切ってしばらくそのままにしておくと、赤茶色に変色してきます。
写真左は「赤茶色に変色したじゃがいも」。
右は「切りたてのじゃがいも」です。
切ってから15分ほど置くだけで、色がかなり変化してしまいます。
切ったじゃがいもが変色してしまうのは、じゃがいもに含まれる「チロシン」というアミノ酸の一種が、空気に触れて酸化し、「メラニン」という茶色い物質に変わるためです。
じゃがいもを水に浸すことで空気を遮断できるので、変色防止に役立ちます。
すぐに色が変わってしまうので、切ったそばから水に浸すのがおすすめですよ。
じゃがいものアク抜き
2つめのメリットは、アク抜きです。
アクはエグミや苦味のもとになりますが、水に浸してアクを抜くことで、味良く仕上がります。
調理でのくっつきや焦げ付きを防ぐ
3つめのメリットは、焦げ防止。
4つめのメリットは、加熱した際に、じゃがいも同士がくっつきにくくなることです。
どちらも、じゃがいもに含まれる「でんぷん」が関係しています。
じゃがいもを水にさらすと、水が白く濁りますが、ここに溶け出しているのがでんぷんです。
でんぷんは、加熱されることで糊のようにくっつきやすくなり、また焦げ目も付きやすくなるという性質があります。
ですから、水にさらして表面のでんぷんを取り除くことで、くっつき防止や焦げ付き防止などに一定の効果が見込めます。
ただ、すでにお伝えした通り、でんぷんのこの性質を逆に利用するお料理もあります。
たとえば、先ほどもお伝えした「じゃがいものガレット」。
こちらは、じゃがいも同士をくっつかせて作るので、でんぷんを取り除くのはNGです。
揚げ物がカリッとした食感に仕上がる
5つめのメリットは、食感のアップです。
こちらにも、でんぷんが関係しています。
表面のでんぷんを取り除くと、カリッとした軽い食感が出やすくなります。
メラニンは食べて有害なんですか?
メラニンを食べることが有害であるという情報は、私はこれまで見聞きしたことはありません。
メラニンは、人間の体や多くの食品に自然に存在する色素で、通常の食事に含まれている量であれば、健康上のリスクはほとんどないと思います。
この記事では、じゃがいもの変色を防止するという見た目の観点から、メラニンの発生を抑える方法をご紹介しています。
レンジを使用する場合、洗って、皮を剥いた後は、水にさらさず、レンジにかける、やり方、良く観ます。どうなんでしょうか?
ポテトサラダとか、、、
じゃがいもをレンジで加熱する際に、水にさらすか否かはお好みです。
水にさらすと、じゃがいものエグみが取れる一方で、風味や栄養は失われやすくなります。
私の経験では、「じゃがいもは絶対に水にさらさない」という方も一定数いらっしゃいます。
お好みで試してみてください。