
ピクニックや行楽にぴったりのサンドイッチ弁当のレシピをご紹介します。
料理研究家の飛田和緒さんが考案したサンドイッチ3品です。
- 甘辛ビーフ&にんじんのサンド
- 手づくりツナ&きゅうりのサンド
- かぼちゃ煮のクリームチーズ&ハムのサンド
この3種のサンドイッチは、飛田さんのおすすめの具材を2種類ずつ挟んで作りますが、合計6種類の具材をパンとは別に持ち運び、出かけた先で手巻き寿司のような感覚で、お好みで挟んでいただくこともできます。

6種類の具材は、左上から時計回りに「にんじんマリネ」「甘辛ビーフ」「手作りツナ」「かぼちゃ煮のクリームチーズあえ」「きゅうりマリネ」「ハム」です。
「きゅうりマリネ」以外はすべて作り置きできるので、お弁当を作る前日の夜に仕込んでおくこともできます。
「にんじんマリネ」と「きゅうりマリネ」は、レモン汁で風味付けした爽やかなマリネです。
また「甘辛ビーフ」は、甘辛味のこってりとした味わいの万人ウケする具材。8分で作れます。「にんじんマリネ」と合わせてマヨネーズをたっぷりかけると、食べ応えがさらにアップします。
そして「手作りツナ」は、めかじきで作る優しい味わいのシーチキンで、18分で完成します。「きゅうりのマリネ」と合わせると、甘辛ビーフとはまったく違った、さっぱりしたサンドイッチができます。
「かぼちゃ煮のクリームチーズあえ」は、チーズケーキを思わせるようなコクと甘みがあるかぼちゃペーストで、食事のあとのデザートのような感覚でいただけます。調理時間は18分。「ハム」と合わせるのが飛田さんのおすすめです。
ちなみにレシピの分量は、4人分くらいのお弁当を作るのであれば、十分間に合うと思います。
「甘辛ビーフ」の出来上がり量は4人分程度で、残りの具材はすべて、4人でも少し残るくらいできます。
どれも作り置きできますので、余ったら普段のおかずにしてください。
(レシピ情報元:NHK「きょうの料理」2018年4月30日放映)
甘辛ビーフ&にんじんのサンド

まずご紹介するのは「甘辛ビーフ&にんじんのサンド」の具材2種類のレシピです。
「甘辛ビーフ」と「にんじんマリネ」の作り方をお伝えします。
甘辛ビーフのレシピ

「甘辛ビーフ」のレシピです。
このお料理は、冷蔵庫で2日ほど保存できます。
牛切り落とし肉 | 200g |
にんにく(つぶす) | 1かけ |
牛脂(※) | 1かけ |
砂糖 | 小さじ2 |
醤油 | 大さじ1 |
※無い場合は普通の油で代用可。
- にんにくと牛脂をフライパンに入れ、弱めの中火にかける。牛脂が溶けてにんにくの香りが立ったら、牛脂とにんにくを取り出す。
牛肉を入れ、ほぐしながら両面をこんがり焼く。 - 牛肉にある程度火が通ったら、砂糖と醤油を加える。汁気が飛ぶまで炒めたらできあがり。
冷蔵庫で2日ほど保存できる。
写真をもとにレシピを説明します。

【工程1・2】
まずにんにく(包丁の背でつぶしたもの1かけ)と牛脂(1かけ)をフライパンに入れ、弱めの中火にかけます。
そして上の写真のように、牛脂が溶けて、にんにくがこんがり焼けて香りが立ったら、牛脂とにんにくを取り出します。
牛脂を使うと、牛肉にコクが加わって美味しくなります。
牛脂はスーパーなどで無料で貰えますが、無い場合は、普通の油でも代用できます。
油を使うと、少しさっぱりした味に仕上がります。

次に牛切り落とし肉(200g)を加え、ほぐしながら両面をこんがり焼きます。
そして牛肉にある程度火が通ったら、砂糖(小さじ2)と醤油(大さじ1)を加えます。(上の写真)
ちなみに砂糖と醤油を加える際に、フライパンの上に汁気がまったく無い場合は、いったん火を止めて調味料を加えるのがおすすめだそうです。そうすると、醤油が焦げずに済みます。

汁気が飛ぶまで炒めたら完成です。
こってりとした甘みのある、万人受けするサンドイッチの具材ができますよ。
にんじんマリネのレシピ

次にご紹介するのは「にんじんマリネ」のレシピです。
このマリネは、冷蔵庫で5日ほど保存が効きます。
調理時間は、塩をして置く時間(30分)を除くと5分くらいです。
にんじん | 2本 |
塩 | 小さじ1 |
レモン汁 | 1/2個分 |
- にんじんは皮をむき、少し細めの千切りにし、塩を全体に馴染ませて30分ほど置く。
- 1の水気を軽く絞り、レモン汁を混ぜたらできあがり。
冷蔵庫で5日ほど保存できる。
写真をもとにレシピを説明します。

【工程1】
まずにんじんの皮をむき、少し細めの千切りにし、塩を全体に馴染ませて30分ほど置きます。
ちなみに「少し細め」というのは、マッチ棒くらいの太さだそうです。
あまり太いとパンに挟みにくいので、ちょっと細めに切ります。

30分ほどすると、にんじんから水分が出ます。

【工程2】
そうしたら、にんじんの水気を手で軽く絞り、レモン汁(1/2個分)を混ぜます。これで完成です。
ちなみにこのマリネをお弁当箱に詰める時は、もう一度汁気を切るといいです。
パンに挟む時には、汁気をしっかり取った方が、ベチャベチャにならずに済みます。
レモンのフレッシュな風味をいかした、爽やかな味のマリネに仕上げます。
レモンが無い場合は、酢でも代用できるそうです。
にんじんの風味が引き立つ、どんな具材にも合わせやすいシンプルなマリネです。
サンドイッチの挟み方

ここからは、すでにご紹介した「甘辛ビーフ」と「にんじんマリネ」を使った、「甘辛ビーフ&にんじんのサンド」の作り方をご紹介します。
甘辛ビーフ※ | 全量 |
にんじんマリネ※ | 適量 |
コッペパン | 4個 |
バター | 適量 |
マヨネーズ | 適量 |
※上のレシピで作ったものを使用。
- コッペパンは縦に切り込みを入れ、断面にバターを塗る。
- 汁気をしっかり取ったにんじんマリネと甘辛ビーフを挟み、マヨネーズをかけたらできあがり。
パンの断面にはバターを万遍なく塗り、にんじんマリネの水気をしっかり取って挟むのがポイントです。
そうすると、時間が経ってもベチャベチャになりにくいです。
こってりとした甘辛ビーフにマヨネーズの風味が絶妙にマッチした、食べ応えのあるサンドイッチができますよ。
手作りツナ&きゅうりのサンド

次にご紹介するのは「手作りツナ&きゅうりのサンド」の具材2種類のレシピです。
「手作りツナ」と「きゅうりマリネ」の作り方をお伝えします。
手作りツナのレシピ

「手づくりツナ」のレシピです。
市販のツナ缶は、マグロやカツオといった赤身の魚が使われますが、このツナは、白身魚で作ります。魚はめかじきを使います。
めかじきは、加熱するとぼそぼそしがちですが、このツナはとても柔らかく、しっとりしていて食べやすいです。またお味の方は、さっぱりしています。
このツナは、冷蔵庫で4日ほど保存できます。
めかじき(切り身) | 4切れ |
塩 | 小さじ1 |
オリーブオイル | 大さじ3〜4 |
- めかじきは一口大に切り、塩を振って10分ほど置き、水気をキッチンペーパーで拭き取る。
- 1をフライパンに重ならないように並べ、ひたひたの水を注ぎ、弱めの中火にかける。
沸騰してアクが出たら取り除き、5分ほど煮る。
5分経ったらフタをして火を止め、そのまま冷ます。 - 2を保存容器に移し、オリーブオイルを回しかけたらできあがり。
冷蔵庫で4日ほど保存が効く。
写真をもとにレシピを説明します。

【工程1】
まずめかじき(4切れ)を一口大に切り、塩(小さじ1)を両面に振って、10分ほど置きます。
塩の量は小さじ1。少し多めにまぶします。

10分経つと、めかじきから水分が出ますので、キッチンペーパーで拭き取ります。
めかじきに塩をして10分置くと、臭みが取れて下味が付きます。

【工程2】
次にめかじきをフライパンに重ならないように並べ、ひたひたの水を注ぎます。

続いてフライパンを弱めの中火にかけ、沸騰してアクが出たら取り除き、5分ほど煮ます。

5分経ったらフタをして火を止め、そのまま冷まします。
加熱中はフタをしませんが、煮終えたら最後にフタをします。
フタをしてゆっくり冷ますと、めかじきがしっとり仕上がります。
ちなみにここで、めかじきをすぐにフライパンから取り出すと、パサパサして硬くなってしまいます。

【工程3】
めかじきを煮汁ごと保存容器に移し、オリーブオイル(大さじ3〜4)を回しかけたら完成です。
オリーブオイルで漬け汁の表面をコーティングすると、乾燥を防ぐことができるので、めかじきがしっとり仕上がります。

出来上がったツナは、煮汁に完全に浸かった状態で保存します。
しっとり柔らかくて優しい味わいのツナができます。
お弁当箱に詰める時は、漬け汁から取り出し、塊のままでもいいですし、市販品のように砕いてもいいです。
ちなみにこのツナのレシピは、別記事で「ツナ作り方」として紹介しています。飛田さんのおすすめの使い方も載せていますので、宜しければ合わせてご覧ください。
きゅうりマリネのレシピ

次にご紹介するのは「きゅうりのマリネ」のレシピです。
このマリネは、冷蔵庫で一晩くらいしか日持ちしません。
あまり置くときゅうりから水気が出るので、なるべく早く食べ切るのがおすすめだそうです。
お弁当にする場合は、当日の朝に作るといいですよ。
きゅうり | 2本 |
塩 | 小さじ1/3 |
レモン汁 | 1/2個分 |
- きゅうりは薄い輪切りにし、塩を全体に馴染ませてしんなりさせる。
- 1の汁気を軽く絞り、レモン汁を混ぜたらできあがり。
一晩ほど保存できる。
写真をもとにレシピを説明します。

【工程1】
まずきゅうり(2本)は薄い輪切りにし、塩を全体に馴染ませてしんなりさせます。

しばらく置くと、きゅうりから水分が出ます。

【工程2】
そうしたら、きゅうりの汁気を手で軽く絞り、レモン汁を混ぜます。これで完成です。
レモン汁をかけると、きゅうりの青臭さが和らぎます。
このマリネも、先にご紹介した「にんじんマリネ」と同じく爽やかな味わいで、どんな具材にも合わせやすいです。
お弁当箱に詰める時は、もう一度汁気を切るのがおすすめです。
パンに挟む時には、汁気をしっかり取った方が、ベチャベチャにならずに済みます。
サンドイッチの挟み方

ここからは、すでにご紹介した「手づくりツナ」と「きゅうりマリネ」を使った、「手づくりツナ&きゅうりのサンド」の作り方をご紹介します。
手づくりツナ※ | 適量 |
きゅうりマリネ※ | 適量 |
ロールパン | 4個 |
バター | 適量 |
マヨネーズ | 適量 |
粒マスタード | 好みで適量 |
粗挽き黒こしょう | 好みで適量 |
※上のレシピで作ったものを使用。
- ロールパン(上の写真はコッペパンで代用)に切り込みを入れ、断面にバター・マヨネーズ・粒マスタードを塗る。
- 1に水気をしっかり取ったきゅうりマリネとツナを挟み、黒こしょうを振ったらできあがり。
ツナはお好みでほぐしてから使ってもいいです。
このサンドイッチは、きゅうりのシャキシャキ感とツナの柔らかい食感の対比が良く、お味の方はさっぱりしています。
かぼちゃ煮のクリームチーズ&ハムのサンド

最後にご紹介するのは「かぼちゃ煮のクリームチーズ&ハムのサンド」の具材のレシピです。
ハムは買ってきたままの状態で使うので、「かぼちゃ煮のクリームチーズ」の作り方だけをお伝えします。
かぼちゃ煮のクリームチーズのレシピ

「かぼちゃ煮のクリームチーズ」のレシピです。
このお料理は、冷蔵庫で3日ほど保存が効きます。
かぼちゃ | 1/4個(370g) |
クリームチーズ | 40g |
砂糖 | 小さじ2 |
醤油 | 小さじ2 |
- かぼちゃはワタとタネを取り、皮をむいて一口大に切る。
- 1を鍋に入れ、ひたひたよりも少し少なめの水を注ぎ、砂糖と醤油を加え、中火にかける。
ふつふつしてきたら紙ぶた(※)をして、弱めの中火で10分ほど煮る。
煮汁がほぼ無くなったら火を止め、そのまま冷ます。 - 2の粗熱が取れたらフォークを使ってペースト状になるまで潰す。クリームチーズを混ぜたらできあがり。
冷蔵庫で3日ほど保存が効く。
※クッキングシートで作った落し蓋。下の写真参照。
写真をもとにレシピを説明します。

【工程1】
まずかぼちゃ(1/4個:370g)のワタとタネを取り、皮をむいて一口大に切ります。
かぼちゃは皮をむいて使います。
皮を取ると、口当たりがなめらかなペーストができます。

【工程2】
次にかぼちゃを鍋に入れ、ひたひたよりも少し少なめの水を注ぎ、砂糖(小さじ2)と醤油(小さじ2)を加え、中火にかけます。

煮汁がふつふつしてきたら、紙ぶたをして弱めの中火で10分ほど煮ます。
ちなみに「紙ぶた」とは、クッキングシートで作った落し蓋のことです。
鍋と同じ大きさの円形に切り、中央に空気穴を開けるだけで、落し蓋として使えます。詳しくは「落し蓋の作り方」をご覧ください。

10分ほどして煮汁がほぼ無くなったら、火を止めます。そして紙ぶたをしたまま冷まします。
煮汁がまだ残っている場合は、いったん紙ぶたを取り、汁気を完全に飛ばします。

鍋には煮汁がまったく残らない状態にします。
ペーストが水っぽくならないように、かぼちゃの煮汁は完全に飛ばします。

【工程3】
かぼちゃの粗熱が取れたら、フォークを使ってペースト状になるまで潰し、クリームチーズ(40g)を混ぜます。これで完成です。
かぼちゃの煮物の甘じょっぱさと、クリームチーズの優しいコクがマッチした、おやつ感覚で食べられるペーストができます。
ちなみにこのお料理は別記事で「かぼちゃクリームチーズペーストの作り方」として紹介しています。
リンク先ではこのお料理に関する飛田さんのエピソードなどもお伝えしていますので、宜しければ合わせてご覧ください。
サンドイッチの挟み方

ここからは、すでにご紹介した「かぼちゃ煮のクリームチーズ」を使った、「かぼちゃ煮のクリームチーズ&ハムのサンド」の作り方をご紹介します。
かぼちゃ煮のクリームチーズ※ | 適量 |
ハム | 適量 |
コッペパン | 4個 |
バター | 適量 |
※上のレシピで作ったものを使用。
- コッペパンは縦に切り込みを入れ、断面にバターを塗る。
- かぼちゃ煮のクリームチーズとハムを挟んだらできあがり。
このサンドイッチは飛田さんのお気に入りで、「かぼちゃ煮のクリームチーズ」には、ハムを合わせるのが「ベスト」だそうです。
かぼちゃの甘みとチーズのコクとハムの塩気が良く合いますよ。

これまで紹介してきた6種類の具材をお弁当箱に詰め、パンとバターとマヨネーズを添えたら、今日のピクニック弁当は完成です。

とても簡単に作れる上に、みんなでワイワイ言いながら食べられる、行楽にぴったりのお弁当ですよ。