鎌倉の地場産市場に並んだ、ふきの代表的な栽培種「愛知早生ふき」。
根元の鮮やかなピンク色から葉っぱの淡い緑に至るグラデーションが、とても綺麗です。
日本で採れるふきの種類は200種以上と言われていますが、そのうちの7割は、この愛知早生ふきが元になっています。
もともとは愛知の伝統野菜で、明治期から主に知多半島で栽培されてきたそうです。
私の母は山の人(神奈川県にある大山の出身)なので、私は小さい頃から、栽培種のふきよりも、山に自生したふきを身近に感じてきました。
春になると、私はよく母と共に山にふきを採りに行きました。
私の山ぶきの記憶は、野ウサギと共にあります。
子供の頃、ふきの葉陰に野ウサギの姿を見つけ、夢中で追いかけてふきを採るのを忘れたことを思い出します。
初めて栽培種(愛知早生ふきでした)を食べた時には、あまりにもアクが少なく、太くて食べるところが多いのでびっくりしました。
やっぱり栽培種。あらゆる面で食べやすくできています。
でもその時、何か物足りなさを感じたことも事実です。ふきの味がしないと思いました。
もう長いこと山にふきを採りに行ってません。
最近では、栽培種のふきの食べやすさが、有り難いと感じるようになりました。
今年あたり久々に、山に入ってみようかな。山ぶきの味を、今はどう感じるだろう。
さて今日は、ふきの栽培種「愛知早生ふき」を使った、「ふきの煮物」と「ふきの葉の佃煮」のレシピをご紹介します。
ふきの煮物の作り方
まずは、栽培種特有の太い茎を使った煮物のレシピです。
材料
愛知早生ふき | 茎6本分 |
塩 | 適量 |
ダシ汁 | 100cc |
酒 | 大さじ1と1/2 |
みりん | 大さじ1と1/2 |
塩 | 小さじ3/8 |
醤油 | 大さじ1/2 |
作り方
- 茎がそのまま入るくらいの大きさの鍋を用意する。無い場合は、茎を短くする。湯を沸かす。(※1)
- 茎に塩少々(分量外)をまぶし、板ずりする(まな板の上で転がしながら塩をなじませる)。(※2)
- 1が沸騰したら2を入れ、さっと湯がく。ざるに取って冷ます。
- 3のふきの皮をむく。食べやすい長さに切る。
- 鍋に4・ダシ汁・酒・みりんを入れて5分ほど煮る。塩を加えてさらに5分煮る。最後に醤油を加えたらできあがり。
※1 ふきの皮をむくのは結構面倒です。大きめの鍋を用意して茎を切らずに済む方が、ふきの本数を最小限におさえることができるのでラクです。
※2 板ずりすることで、皮がむきやすくなり、色鮮やかに茹で上げることが出来ます。
栽培種のふきは、とても調理しやすいです。
ふきの葉の佃煮
次に「ふきの葉の佃煮」のレシピをご紹介します。
ひと手間かけると、葉っぱも美味しく食べられます。
材料
愛知早生ふきの葉 | 6枚 |
サラダ油 | 大さじ1 |
酒 | 小さじ1 |
みりん | 大さじ1 |
醤油 | 小さじ1と1/2 |
作り方
- 鍋に湯を沸かし、葉をさっと湯がく。冷水にさらして、水気を絞る。細かく刻む。
- 温めた鍋に油を引き、1を炒める。酒・みりんを加えて味を含ませ、最後に醤油を加えたらできあがり。
このふきの葉の佃煮は、とても美味しいです。
葉っぱを捨ててしまうなんてモッタイナイ。
私は、この佃煮を食べたいがために、ふきを買うこともあります。
【追記】
他にもふきのレシピを紹介しました。
下のリンク先もご覧ください。
ふきのピクルス
ふきの散らし寿司
きゃらぶき