インドの代表的なスイーツをご紹介します。
インドでは、牛乳やココナッツミルクをベースにしたデザートや、米やセモリナ粉やひよこ豆の粉などの穀物を多用したお菓子がとても多いです。
インドのスイーツは、素朴な味つけが魅力で、見た目も色とりどり。
たしかに甘いお菓子も多いですけど、日本人好みのマイルドな味のものも意外とあります。
個人的には、甘さ控えめで食べやすい「ハルヴァ」というスイーツがイチオシです。
下の動画は、インド西部のジャイプルにある、昔ながらのお菓子屋さんの様子です。
黄色やオレンジなど、綺麗な色のお菓子が店先にずらっと並べられていて、見ているだけでも楽しいですよ。
ハルヴァ(ハルワ)
インド旅行中によく見かけるデザートの一つに、「ハルヴァ(ハルワ:Halwa)」があります。
ハルヴァは、日本ではトルコのお菓子として有名ですが、実際は、トルコに限らず、中東地域やロシア・ギリシャ・インドなどでも広く食べられています。
ハルヴァの作り方はシンプルで、セモリナ粉に牛乳・バターオイル(ギー)・砂糖などを加えて火にかけ、練り上げたら出来上がり。
お好みでナッツやドライフルーツ、スパイスなどを加えることもあります。
ハルヴァは、インドでは食後のスイーツとしても人気があるようです。
スパイスの刺激を、ハルヴァの甘みが和らげてくれます。
にんじんのミルク煮といった感じです。
上の動画は、にんじんのハルヴァを大きな鍋で煮込んでいるところ。
にんじんを細かく刻み、牛乳とバターオイル(ギー)と砂糖を加え、1時間ほどかけて煮詰めると、濃厚な味わいに仕上がります。
グラブ・ジャムン
こちらは、グラブ・ジャムン(Gulab Jamun)。
このお菓子も、インドを旅しているとよく見かけます。
グラブ・ジャムンは、ものすごく甘いのが特徴で、初めて食べるとちょっとびっくりするくらいの甘さです。
アルコールをあまり飲まない文化圏では、こうした強烈な甘さが、嗜好品として重宝されているのだと思います。
材料は、「コア(Khoa)」と呼ばれる固形状の濃縮乳と、小麦粉と砂糖。
これらを直径3センチくらいに丸め、バターオイル(ギー)で揚げ、砂糖シロップに浸したら完成です。
しっとりしていて、濃厚な甘みとコクがあり、1粒でも大満足のお菓子です。
ジャレビ
こちらは、オレンジ色の「ジャレビ(Jalebi)」という揚げ菓子です。
インドだけでなく、中東や北アフリカでも食べられています。
こちらも、インドの定番のお菓子です。
お味の方は、少し柔らかいかりんとうみたいな感じ。
生地に砂糖シロップがしっかりと染みていて、口当たりはジューシーです。
バルフィ
「バルフィ(Balfi)」は、牛乳を使ったインドのスイーツ。
煮詰めた牛乳の濃厚な味わいと、ほろほろっとした柔らかい食感が特徴です。
こちらは、普段のおやつとしてだけでなく、誕生日や結婚式など特別な日に食べられることもあります。
キール(ミルク粥)
「キール(Kheer)」(写真左)は、インド発祥のライスプディングです。
ミルク粥のようなデザートで、ミルクと砂糖を使って、米を柔らかく煮て作ります。
人によっては、ナッツやドライフルーツを混ぜたり、あるいはシナモンやカルダモンなどのスパイスで風味付けすることもあるようです。
温かいうちに食べることも多いですが、あえて冷たくしてから供されることもあり、それもなかなか美味しいです。
ラスマライ
こちらは、東インドのベンガル湾沿岸地域やバングラディッシュでよく食べられている「ケサル・ラスマライ(Kesar Rasmalai)」です。
サフラン色が目を引く可愛らし見た目のデザート。
インドのカッテージチーズ「パニール」で作ったスポンジ状の柔らかいお団子を、サフラン風味の濃厚な味わいのミルクソースでいただきます。
ちなみに、「ラスマライ」は南インドでも食べられています。
写真左下の黄色いお菓子がラスマライです。
南インドのラスマライは、ミルクの代わりにココナッツミルクを使う場合もあります。
サンデシュ
こちらは、牛乳で作るシンプルなお菓子「サンデシュ(サンディッシュ:Samdesh)」です。
ごく一般的なものは、真っ白くて丸い形をしていますが、写真のサンデッシュは、少し凝っているタイプ。
白い牛乳生地の内側を黄色く着色して、棒状に形成したうえで、半分に切り分けています。
サンデッシュの材料はシンプルで、基本的には、牛乳・レモン汁・砂糖の3つさえあればOKです。
牛乳にレモン汁を加え、それを固めて、カッテージチーズを作ります。
そして、砂糖などを混ぜれば生地の完成です。
口に入れると、しっとりとして柔らかく、爽やかな風味も感じます。
ラドゥ
こちらは、「ラドゥ(ラドゥー:Laddu)」。
ひよこ豆などの穀物の粉をフライパンで炒り、インドのバターオイル「ギー」や砂糖を混ぜて作るお団子状のお菓子です。
写真のように、サフランパウダーを使ってきれいな黄色に仕上げることもあり、刻んだナッツなどのドライフルーツが入ることもあります。
甘みが強くてほろほろっとした食感が特徴で、インドのお祭りや宗教行事などでよく食べられます。
ペサ
「ペサ(Petha)」は、半透明のソフトキャンディーです。
北インドの特にアグラやマトゥラで有名で、食後に食べるお菓子として人気があります。
このお菓子は、簡単に説明すると、冬瓜の砂糖漬けのようなもの。
日本で言う冬瓜のような野菜を石灰水に浸し、柔らかく煮たあとに、砂糖シロップに浸し、乾燥させたものです。
ジューシーでサクサクとした食感があります。
グジャ
「グジャ(Gujia)」は、インドをはじめ、ネパールやバングラディッシュなどでも食べられているお菓子です。
ホーリーなどのお祭りでも、よく食べられます。
一見すると餃子のような形をしていますが、全体的に濃厚な甘みがあります。
中身は、「コア(Khoa)」と呼ばれる固形状の濃縮乳やドライフルーツなどが詰められており、これを小麦粉の生地で包み、インドのバターオイル「ギー」で揚げ、甘い砂糖シロップに浸して作ります。
ブーンディ
こちらは、「ブーンディ(ブンディ:Boondi)」という粒状のお菓子。
甘みが強いのが特徴です。
作る際には、まず、小麦粉やひよこ豆の粉などに砂糖を加え、サフランパウダーやカルダモンパウダーで風味付けし、水を加えてドロドロにします。
そして、揚げ油を温め、穴が空いたお玉のような調理器具に先ほどのドロドロにしたものを流し入れると、丸い小さな粒状に揚げ上がります。
ちなみに、「ブーンディ」を柔らかくして団子状にまとめた、「ブーンディ・ラドゥ」というお菓子もあります。
シュリカンド
こちらは「シュリカンド(Shrikhand)」というデザートです。
インド西部のグジャラート州やマハラシュトラ州で特に人気があり、結婚式などのおめでたい日によく作られます。
水切りしたヨーグルトをベースに、カルダモンやサフランなどで風味付けするのが特徴で、濃厚な甘みがあります。
詳しい作り方は「シュリカンドのレシピ」をご覧ください。
日本でも簡単に作れます。
ヨーグルトのデザート
ところで、インドと言えば、ヨーグルトも食後のデザートとしてよく食べられます。
はちみつなどで甘みを補うことも勿論ありますが、意外にも、砂糖を使わない食べ方も人気です。
インドのターリーやミールス(定食)などには、プレーンヨーグルトが添えられていることが多く、そのプレーンヨーグルトをご飯などに混ぜて、食事の締めにしている光景をよく見かけます。
ちなみに、インドのヨーグルトは、日本のよりも少し酸味が強いことが多いです。
詳しくは「インドのヨーグルトの特徴と食べ方」をご覧ください。
インドスイーツ店
続いて、インドのお菓子屋さんの写真をまとめてみました。
インドには、見た目も美しいお菓子がたくさんありますよ。
インドのケーキ
こちらは、インドのジャイプルで見かけたケーキ屋さんです。
また、一部の方に限ってのことだとは思いますが、クリスマスにケーキを食べることもあるようです。
写真は、ホテルのビュッフェで出てきたクリスマスケーキ。
日本とデザインが少し違うので、面白いですよ。
インドの駄菓子
最後にご紹介するのは、スーパーで売られている駄菓子です。
スーパーのお菓子売り場をのぞいてみて、一番印象的だったのは、バナナチップスがとても人気があるということです。
南インドのチェンナイのスーパーだったからかもしれませんが、日本のポテチ売り場がそのままごっそりバナナチップス売り場になってしまったくらい、スペースを割いて売られていました。
以上、インドのスイーツについてお伝えしました。
インドには物珍しいスイーツがたくさんあり、スイーツ売り場を眺めているだけでもかなり楽しめます。
実際に食べると甘すぎてびっくりすることもありますが、そうした経験も旅の面白さの一つです。
気軽に試してみるのもいいですよ。
ところで、当サイトでは、現地インドでの経験をもとに、インド料理やインドの観光スポットについて別記事で詳しく解説しています。
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